「コンダオ島」は、ベトナム最後の楽園と称される美しい秘境です。ただ一つの島を指すのではなく、ホーチミン市から約230km南に位置する大小16の島々の総称を指します。
また「コンダオ島」はその約8割が国立自然公園に指定されており、手つかずの自然が広がる貴重なエリアです。日本からの直行便はないものの、一度は訪れる価値のある島でしょう。
この記事では、コンダオ島へのアクセス方法や見どころを詳しく紹介します。ベトナム旅行の際には、この「最後の楽園」と呼ばれるコンダオ島にぜひ足を運んでみてください。
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コンダオ島とは?ベトナム最後の楽園と呼ばれる理由
コンダオ島は、ベトナムの南海岸に浮かぶ16の島々からなる秘境で「最後の楽園」と称されています。過去には「世界で最も神秘的な島トップ9」に選ばれるなど、圧倒的な美しさを誇る島です。
まずはコンダオ島がなぜ「ベトナム最後の楽園」と呼ばれるのか、その理由につてい見ていきましょう。
観光地としての開発が遅れたから
コンダオ島が「最後の楽園」と呼ばれる理由の一つは、観光地としての開発が他の地域に比べて大幅に遅れたためです。
コンダオ島はそもそもフランス統治時代からベトナム戦争時代まで、約100年以上ものあいだ「流刑地」だった歴史があります。
そのため観光地としてのイメージはほど遠く、大きな開発が進むことはありませんでした。世界にある多くの島は観光客を引き寄せるためにリゾート開発が進められましたが、コンダオ島は手つかずの自然がほぼそのまま残されています。
このためコンダオ島には人工的な要素が少なく、訪れる人々は大自然の中で過ごせます。観光インフラが整備されていないことでアクセスがやや困難な面もありますが、それが逆に秘境感を強め、観光地としての魅力を一層高めているのです。
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島の8割が国立自然公園に認定されているから
コンダオ島のもう一つの大きな特徴は、全体の約8割が国立自然公園に指定されている点です。
世界にある美しい島の多くも国立自然公園に指定されていることはありますが、多くてもその割合は5割程度です。しかしコンダオ島の場合、全体の8割が自然公園として守られており、エコツーリズムの拠点としても注目されています。
ベトナム政府によって保護されているコンダオ島は手つかずの自然環境が守られ、生態系の多様性が維持されています。豊かな森林や熱帯植物、そして美しいサンゴ礁が広がる海は、自然を愛する旅行者にとって大きな魅力です。開発による影響を受けていないこの環境こそが、コンダオ島が「最後の楽園」と呼ばれる理由の一つです。
ここでしか見られない絶滅危惧種の生物が集まる
コンダオ島は生物多様性が非常に高い場所です。特に絶滅危惧種の動植物が多く生息している点から「最後の楽園」と呼ばれています。
コンダオ島の海域はウミガメの産卵地としても有名です。毎年絶滅の危機に瀕しているアオウミガメが産卵のためにこの島を訪れます。その光景は自然保護団体を通して観光客へのツアーも開催されており、ここでしか経験できない貴重な体験となっています。
また、絶滅危惧種に指定されている「ジュゴン」もこの島周辺に生息しています。これらの生物は保護活動が積極的に行われているおかげで生息地を守られており、自然の中で生き続けることができています。
こうした希少な生物たちに出会えることから、コンダオ島はただの観光地ではなく、自然保護の象徴的な場所としても評価されています。
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コンダオ島の基本情報
以下はコンダオ島の基本情報です。美しい大自然や透明度の高い海で過ごしたい方にピッタリの場所です。
項目 | 詳細 |
---|---|
名称 | コンダオ島(正確には16の島々からなる諸島) |
人が住むエリア | コンソン島 |
人口 | 約7500人 |
空港 | コンダオ空港 |
公用語 | ベトナム語、ホテルでは英語も通じやすい |
アクセス | ホーチミン市より飛行機で約55分 |
気候 | 熱帯モンスーン気候で基本的に高温多湿 |
ベストシーズン | 3~5月 |
日本では「コンダオ島」と呼ばれますが、コンダオ島は正確には16の島々からなる諸島です。基本的に滞在できるのは人口の多い「コンソン島」です。
コンソン島はコンダオ市場の北から北西方面に向けてホテルや飲食店が集中しています。島の中でもトップクラスを誇る高級リゾート「 シックスセンシズ コンダオ」があるのもこのエリアです。
コンダオ島への行き方は主に2つ
コンダオ島は日本からの直行便はありません。コンダオ島へ行くには基本的に以下2つの方法のみです。
- ホーチミン市より飛行機でコンダオ島へ
- ホーチミン市・ブンタウから高速船に乗る
ここからはそれぞれの詳しいアクセス方法を見ていきましょう。
飛行機でのアクセス
コンダオ島へは、ベトナム南部の都市・ホーチミン市より小型飛行機で向かうのが一般的です。約55分のフライトで到着するため、ホーチミン市に滞在しつつ、コンダオ島まで足を運ぶ人が多いです。
フライト便 | ベトナム航空・バンブーエアウェイズ航空 |
所要時間 | 約55分 |
毎日の本数 | ベトナム航空:4~7便バンブーエアウェイズ航空:1~2便 |
ホーチミンからコンダオ島までは、小型飛行機で約1時間のフライトで到着するためとても便利です。
ちなみにコンダオ空港からコンソン島中心部までは車で約20分です。ただし人口の少ない小規模な島なので、ベトナム本土と異なりタクシーなどの配車サービスはほぼありません。
基本的にコンダオ島に到着した日には、空港からホテルまでの送迎サービスがあります。しかし 帰りのホテルから空港へ行くには、前日までにホテルを通して「空港送迎バス」を予約した方が良いでしょう。
また、ホーチミンに滞在しつつコンダオ島を目指す人も多いです。以下の記事でぜひホーチミンの観光スポットもチェックしてください。
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高速船でのアクセス
ホーチミン市からフーコック島へのアクセスには「高速船」もあります。2024年5月にフーコック・エクスプレス社によりべトナム最大の高速船が就航されました。
名称 | フーコック・エクスプレス |
運行内容 | ホーチミン市ニャベ県のヒエップフォック港からコンダオ島 |
所要時間 | 約4時間 |
本数 | 週3便を予定 |
高速船は飛行機に比べると時間は掛かるものの、美しいコンダオ島の海上をゆったりと進んでいくのが魅力です。この高速船は最大1,017人の乗船が可能であり、乗船中のサービスも充実しています。
またコンダオ島へは「ブンタウ」からも高速便の船でアクセスできます。ブンタウはホーチミン市より南東約100㎞にあるビーチリゾートです。ブンタウからも、フーコック・エクスプレスの高速船が走っています。
名称 | フーコック・エクスプレス |
運行内容 | ブンタウフェリーターミナルからコンダオ島 |
所要時間 | 約3時間15分 |
本数 | 1日1便、朝8ː00発 |
ブンタウ観光もしつつコンダオ島への旅を検討している方は、ぜひ以下の記事も伏せてご確認ください。
コンダオ島での移動手段は何が良い?
コンダオ島はベトナムではあるものの「最後の楽園」と呼ばれるほど豊かな自然が残っています。そのためベトナム都市にあるようなインフラ整備はあまり期待できません。
ここからは、コンダオ島に滞在する際の移動手段について詳しく紹介します。
タクシーは少ない
コンダオ島では、ベトナム本土の都市部のようにタクシーを気軽に利用することは難しいです。空港にはタクシーが止まっていることは多いものの、島中でのタクシーの台数は限られており、街中ですぐに拾うことは難しいでしょう。
また電話やアプリで予約する場合でも、混雑時やピークシーズンには時間がかかるケースも多いです。そしてベトナム本土では当たり前のように利用できる「Grab」アプリも、コンダオ島では利用できません。
ただしコンダオ島で走るタクシーは「コンソンタクシー」が中心なので、現地で確認してコンソンタクシーのアプリがあれば入れておいても良いでしょう。コンソン島でのホテルエリアなら、アプリを利用してタクシーの予約がスムーズにできます。
ただしコンダオ島の繁忙期にどうしてもタクシーを使いたい場合は、ホテルや宿泊施設で事前に予約を手配してもらうことが必要です。特に大人数や荷物が多い場合は、事前の手配をしておきましょう。
レンタバイクの利用が便利
コンダオ島を効率的に回るために最も便利な移動手段は、レンタバイクです。
島内は道路が整備されていない場所もあり、目的地によっては遠距離になるためレンタバイクがあれば便利です。
レンタルバイクを借りるには、あらかじめ国際免許の申請を日本でしておかなくてはなりません。ただし国際免許の申請は日本で簡単にオンライン手続きができるので、旅行前に申請しておきましょう。
自由に移動したい観光客にとってはレンタバイクの利便性は高く、気軽に島の各所を巡ることができます。島内の多くのホテルやゲストハウスでは、バイクのレンタルサービスを提供しており、1日単位で貸し出しているところが多いです。
料金も比較的リーズナブルで、手軽に利用できるのも魅力です。バイクであれば、島の隠れたビーチや自然公園、観光名所を自分のペースで訪れることができ、旅の自由度が大幅にアップします。
ただし、雨季の時期には道路状況が悪化することもあるため注意が必要です。また必ず海外旅行保険に加入しておきましょう。
ホテルから空港へは送迎バスを予約しよう
ホテルから空港まではタクシーを利用することもできますが、繁忙期にはなかなか捕まりません。そのため、最も確実で快適な方法は、宿泊施設が提供する送迎バスを予約しておくことです。ほとんどのホテルやリゾートでは、事前にリクエストをすれば空港からの送迎サービスを利用できます。
送迎バスは定期運行されている場合もあり、宿泊予約時に空港からのアクセスを一緒に手配しておくと安心です。特に大人数での移動や荷物が多い旅行者は、到着した時点で帰りのバスの時間や予約方法などを確認しておくと良いでしょう。
日本からコンダオ島へ 3泊4日のモデルプラン
コンダオ島の観光がメインの場合、日本からは最短3泊4日あれば旅行が楽しめます。
スケジュール | 内容 |
---|---|
1日目 | 午前:東京発、ホーチミンへ。到着後ホーチミン観光(この日はホーチミン泊) |
2日目 | 午前:ホーチミン発、コンダオへ島へ。昼頃からコンダオ観光(コンダオ泊) |
3日目 | コンダオ観光を満喫して午後コンダオ発、ホーチミンへ。深夜に空港へ向かう |
4日目 | 早朝深夜ホーチミン発、日本へ。東京(成田)には朝8時頃到着 |
理想としては5日間あったほうがコンダオ島に2泊でき、さらにゆっくり過ごせます。それでも最低4日あればコンダオ島でのアクティビティもできるので、忙しい人にも最適です。
またベトナムから成田までは早朝便の利用が一般的なため、体力のある人は4日目の到着した日に仕事へ向かうケースもあります。
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コンダオ島の見どころ
ここからは、コンダオ島に来たらぜひ体験してほしいアクティビティや、見どころスポットを紹介します。島の約8割が国立自然公園に指定されているだけあって、大自然の中にある見どころは満載です。
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マリンアクティビティ
コンダオ島を訪れたら、ぜひ体験してほしいのが多彩なマリンアクティビティです。
シュノーケリングやダイビングは、初心者から経験者まで楽しめる人気のアクティビティです。島の周辺には多くのダイビングスポットが点在しており、特にカラフルなサンゴ礁や熱帯魚、時には絶滅危惧種であるジュゴンやウミガメにも出会えるかもしれません。
また、穏やかな海でのカヤックやパドルボードもおすすめです。泳ぎが苦手な人でも、海上からの美しい景色を楽しみながらリラックスした時間を過ごせます。
マリンスポーツの設備は島内のリゾートやホテルで提供されていることが多いです。ガイド付きのツアーも用意されているため、初心者でも安心して挑戦できます。コンダオ島の自然を満喫するためには、これらのアクティビティは外せないポイントです。
ウミガメの産卵ツアー
コンダオ島でしか体験できない貴重なアクティビティの一つが、ウミガメの産卵ツアーです。
コンダオ島では6~8月にかけてウミガメの産卵を見学できるツアーが開催されています。
中でもアオウミガメは絶滅危惧種に指定されており、その産卵は非常に珍しい光景です。毎年6月から10月の産卵シーズンには、ウミガメが島のビーチに上陸し、砂の中に卵を産みます。島内の自然保護団体が主催するツアーに参加することで、この神秘的な瞬間を目の当たりにすることができます。
ツアーでは専門ガイドの説明を受けながら、夜間の静かなビーチでウミガメが卵を産む様子を観察できます。この体験は自然の営みを感じると同時に、環境保護やウミガメの保護活動についても学べる貴重な機会です。ツアー料金の一部は保護活動に充てられているため、参加することで自然保護に貢献できるメリットもあります。
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コンダオ市場
コンダオ島の地元の文化や生活を感じたい方には、コンダオ市場への訪問がおすすめです。
市場はコンソン島の中心部にあり、地元住民たちの生活の場です。新鮮な魚介類や地元産の野菜、果物、さらには手作りのお土産品などが並び、観光客にも人気のスポットです。
特に早朝には漁船から降ろされたばかりの新鮮な魚やシーフードが並び、地元ならではの食材を手に入れられます。市場内ではベトナム料理の屋台も多く、手軽に地元の味を楽しむことができるのも魅力です。
市場ではフォーやバインミーなどのベトナム定番料理はもちろん、コンダオ島特有のシーフードを使った料理も堪能できるので、時間があればぜひ足を運んでみましょう。
ハンユーン墓地
コンダオ島は自然の美しさだけでなく、歴史的な意味も深い場所です。
その象徴的な場所の一つが、ハンユーン墓地です。この墓地は、かつてのフランス植民地時代やベトナム戦争時代に政治犯として収容された人々が眠る場所です。祖国のために命を落とした英雄たちが祀られており、彼らの犠牲がベトナム独立の歴史を支えてきたことが分かります。
ハンユーン墓地は、今も多くのベトナム人にとって聖地とされており、パワースポットとしても有名です。20時以降は最も霊力が強まるとされ、夜になると多くの人々が祈りを捧げにやってきます。静かな雰囲気の中でベトナムの過去に思いを馳せる時間は、コンダオ島での特別な体験となるでしょう。
ヴォー・ティ・サウさんを通して歴史を学ぼう
上記ハンユーン墓地に眠る英雄として有名なのが、わずか19歳で生涯を閉じたヴォー・ティ・サウさんです。
彼女はベトナムの独立運動家であり、若くしてフランス植民地政府に抵抗し、19歳のときに処刑されました。ヴォー・ティ・サウさんは、ベトナムの人々にとって愛国心と勇気の象徴として敬われており、彼女の墓地には今でも多くの人々が訪れます。
彼女が処刑されたコンダオ刑務所は現在も保存されており、当時の厳しい環境やベトナムの独立運動の歴史を学ぶことができます。刑務所跡地には、展示品や写真が展示され、訪れる人々にその時代の苦難を伝えています。
現地の土産物店でもヴォー・ティ・サウさんがデザインされたグッズが多く販売されています。ベトナムの独立のために戦った人々の物語を知ることで、コンダオ島が持つ歴史的意義を深く理解できるでしょう。
コンダオ島観光のベストシーズンは?
コンダオ島観光のべストシーズンは3〜5月です。この時期のコンダオ島は雨が降らずにビーチの波も穏やかなので、マリンアクティビティを楽しむのなら3〜5月を狙いましょう。
コンダオ島は年間を通して遊べる島ですが、ベストシーズンを順番に見ていくと次のようになります。
ベストシーズン | 3~5月 |
第2のベストシーズン | 2月、6~8月 |
あまり旅行には向いていないシーズン | 9~10月 |
おススメしないシーズン | 11月~1月 |
コンダオ島は年間を通して気温は26~30℃程度なので、いつの季節でも晴れていれば海に入れます。しかし6~11月頃は雨季となり、雨も多いため天候に恵まれないときもあるでしょう。
また11~1月にかけては波が高くなり、風も強いため飛行機や船が欠航するケースも多いです。
そのためコンダオ島に来るなら、春~夏にかけてが良いでしょう。
コンダオ島観光の服装と持ち物:準備すべきアイテムはこれ!
コンダオ島は年間を通して温暖な気候であるため、基本的に服装は半袖です。しかし歴史的な観光スポットや寺院もあるため、そのような場所で肌を露出した格好は避けた方が良いでしょう。そのため薄手の上着があると安心です。
またコンダオ島旅行であると便利な持ち物は以下の通りです。
- 日よけグッズ:日焼け止めやサングラス、帽子など
- 虫除け
- 雨具
- 水着、ゴーグルなど
コンダオ島は日差しが強いため、日焼け対策やサングラスがあると安心です。また突然スコールが降ってくることも多いため雨具もあった方が良いでしょう。
そしてコンダオ島にあるホテルの多くはプールが併設されています。海には入らないという人もプールに入るケースは多いため、やはり水着やゴーグルなどはあったほうが良いです。現地でも販売されていますが日本人の体形にはあわないケースもあるので準備しておきましょう。ベトナム旅行の詳しい持ち物に関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。
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コンダオ島の行き方 まとめ
コンダオ島は「ベトナム最後の楽園」と呼ばれる秘境で、豊かな自然と手つかずの美しい景観が魅力です。
行き方はホーチミン市から国内線で約1時間と、簡単にアクセスできます。近年では高速船も登場しているため、船でゆっくりとコンダオ島に向かうのも良いでしょう。
コンダオ島は島の8割が国立自然公園となっており、貴重な生態系との出会いをはじめ自然と調和した特別な体験ができます。ぜひ今回の記事を参考にして、手つかずの自然が残る美しいコンダオ島に足を運んでみてください。