ベトナム サパの観光スポット25選！少数民族と美しい棚田を見に行こう

サパはベトナム北部にある人気の高原リゾート地です。美しい棚田と豊かな少数民族文化で知られるエリアで、ベトナムの中でも穴場的な魅力があります。

この記事では、サパで訪れるべき主要スポットや人気ツアーなど計25選を紹介します。アジアの中でもここにしかない自然景観や文化と出会えるので、ベトナム・サパへの旅行を検討中の方はぜひ参考にしてください。

サパとはどんなエリア？

サパはベトナムの中でもほぼ最北部に位置するエリアです。美しい棚田と少数民族が暮らす街として知られ、ベトナムの中でも訪れる価値のある秘境と言われています。

サパへのアクセスは、まずベトナムの首都ハノイよりバスで約4時間半の場所にあるラオカイへ。ラオカイからサパ行きのバスに乗車し、約1時間で到着します。

世界でも稀少な少数民族が暮らす村

サパはベトナム北部に位置する高原地帯で、世界的にも珍しい多様な民族が共存する地域です。ここでは、モン族、ザイ族、ザオ族など、多数の民族グループが独自の伝統と文化を守って生活しています。彼らの暮らしぶりはサパ訪問の大きな魅力の一つとなっており、民族の家にホームステイするツアーなども人気です。彼らが手がける美しい手工芸品や伝統衣装は見る者の目を引き、文化的な理解を深める機会にもなっています。

棚田は世界トップクラスの美しさ

サパの棚田は、ベトナム北部の山あいに広がる息をのむような景観です。世界トップクラスの美しさがあることで有名で、これらの棚田は少数民族によって何世紀にもわたり手作業で造られてきました。緑豊かな植生と季節の変化によって異なる表情を見せる棚田は、サパ訪問中には必見です。特に、9月の後半から10月の前半だけに見られる黄金色の棚田はここでしか見られない絶景です。

過ごしやすい高原リゾート

サパは、涼しい気候と豊かな自然が魅力の高原リゾート地です。基本的にベトナム全土は亜熱帯の国なので、都市部の夏は最高気温が40℃に達することもあります。しかしサパは北部の山々に囲まれているため、真夏のシーズンでも過ごしやすいです。夏は避暑地としても有名で、心地よい気候の中でのんびりと過ごすことができます。ただし12～3月は濃霧に覆われ気温が0度まで下がることもあるため、防寒具は必須です。

サパをはじめとしたベトナム北部の天気については、以下の記事も参考にしてください。

ベトナム北部の気候を徹底解説！｜服装やおすすめシーズンも紹介

サパの観光・必見スポット16選を紹介

ここからは、サパを訪れたら必ずチェックしてほしい必見スポットや少数民族の人々を紹介します。サパはベトナム北部の魅力あふれる旅行先で、壮大な自然景観と多様な少数民族の人々の生活が鑑賞できます。サパへの旅行を検討している方は、ぜひ以下に紹介するエリアを参考にしてください。

ファンシーパン山

ファンシーパン山は、ベトナム最高峰の山であり、標高3,143メートルを誇る壮大な山です。冒険好きな登山者にとって必見のスポットであり、ハイキングや登山の絶好の地です。山頂からは、雄大なサパの景色を一望でき、晴れた日には周囲の山々や深い谷が望めます。またケーブルカーがあるため、山登り未経験の方でも安心して訪れることができます。山域には多様な生態系があり、貴重な動植物を観察できます。またエリアには「サンワールド」というテーマパークもあり、サパで観光を満喫したい方にもおすすめです。

ムオン ホア渓谷

ムオン ホア渓谷はサパの自然美を象徴するスポットの一つです。渓谷を流れる川の澄んだ水とその流れが作り出した豊かな緑の風景は、写真愛好家やナチュラリストにはまさに夢のような場所です。

渓谷周囲には少数民族の村が点在し、ホームステイをして文化的な背景を学ぶ旅行客も多いです。またサパを代表する美しい棚田の景色も広がり、ここでしか見ることのできない自然に溶け込んだ別世界がみられます。

ティンイェウ滝

ティンイェウ滝は、サパの中心部から西に約15㎞の場所にあります。自然の美しさを象徴する見事なスポットであり、落差のある滝壺へと水が流れ落ちる様は、見る者に強烈な印象を与えます。

ティンイェウ滝は別名「ラブ・ウォーターフォール』とも呼ばれベトナム人のカップルの聖地としても有名です。シングルの人もこの滝を訪れることで良い出会いに恵まれるとされ、ちょっとしたパワースポットにもなっています。

ティンイェウ滝は水しぶきの迫力だけでなく、周囲の緑豊かな自然と調和する美しい景色も特徴です。サパの中でも絶景のフォトスポットなのでぜひ写真に収めましょう。ただし雨季の訪問では道が滑りやすくなるため、安全には十分注意が必要です。

世界トップクラスの美しさを誇る棚田

サパの棚田は、緻密な手作業によって作り出された農業の傑作です。サパの棚田は季節ごとに異なる景色が楽しめます。新緑の時期には水を張った直後の鏡のような水面や、夏は緑豊かな稲穂が波打つ時期、そして秋には黄金色に輝く収穫期と、時期によって変わる表情を見せます。サパを訪れた際に棚田鑑賞を外すことはできません。

サパの美しい棚田はどこでも鑑賞できますが、サパの町から最も近くにある村「イーリンホー」の棚田が最も美しいと言われています。サパを訪れた際にはぜひ斜面に広がる棚田を鑑賞しましょう。

サパ教会

サパ教会は、サパの町の中心にあり、その歴史と建築美で知られています。この石造りの教会はフランス植民地時代の1920年に建てられ、現地の少数民族文化と融合した、独特の観光スポットとなっています。

サパ教会は街のランドマークにもなっており、近隣には土産物店や軽食店も並びます。この教会はサパでのコミュニティの集いの場としても機能しており、伝統的な市場の訪問や少数民族文化の観察には最適な立地です。ただし基本的に内部の見学はできず、中に入れるのはミサの時間に限られています。

少数民族モン族

サパ地域では、モン族が大きな役割を果たしています。モン族はサパの中でも最大の少数民族です。

モン族の人々は、色とりどりの民族衣装で知られており、手作りの刺繍や装飾は観光客にとって特に人気のお土産となっています。また、モン族はサパの棚田で有名な水稲農業を営んでおり、その農法は世界にも認められた景観を生み出しています。サパ訪問時では、彼らの文化を体験し、村を訪れたり、市場で彼らの作る工芸品を買ったりすることができます。

ザイ族

ザイ族はサパから東南へ車で30分ほどの、主にラオチャイ村に住む民族です。彼らは独自の伝統衣装や言語、生活様式を守り続けています。特に、ザイ族の女性たちは色鮮やかな刺繍が施された衣服を着用し、その手仕事の技術は高く評価されています。彼らの住む村では、伝統的な建築様式の家屋を見ることができ、訪れる人々に深い印象を与えます。

ザイ族の社会においては、農業が主な生計手段であり、特に棚田での水稲栽培が中心です。観光客は、ザイ族の村を訪れることで、彼らの日常生活や文化的背景を直接体験することが可能です。

ザオ族

ザオ族は険しい山道の奥にひっそりと暮らす民族です。ザオ族に会うには上級者向けのトレッキングコースに入らないといけないこともあり、なかなか出会う機会は少ないかもしれません。

ザオ族は「赤ザオ族」とも呼ばれ、特徴的な赤い頭巾を被っています。また女性の民族衣装は華やかで、刺繍入りパンツと袖口に豪華な刺繍が入っている黒い上着を着ているのが特徴です。またザオ族の女性は成人すると髪の毛や眉毛を剃るといったしきたりがあります。

ラオチャイ村

ラオチャイ村は、主にザイ族が暮らす自然豊かな村です。サパ中心部から南東へ車で30分ほどの場所にあり、主に欧米から多くの観光客が訪れます。

ラオチャイ村は、これぞサパといった美しい棚田や田園風景が広がる場所です。ザイ族をはじめとした伝統的な少数民族の文化や生活様式に触れることができ、地元の人々と交流する有意義な時間を過ごせるでしょう。ラオチャイ村は近年観光に力を入れていることもあり、彩り豊かな手工芸品を作る様子を間近で見たり、村人が手作りする衣服やアクセサリーを購入することもできます。ラオチャイ村はサパ観光の中でも特に訪れる価値のあるスポットです。

タヴァン村

タヴァン村は、ラオチャイ村より車で約2時間ほどの場所にある山深いエリアです。黒モン族が住む村として知られ、マイナスイオンたっぷりの川が流れます。

タヴァン村では観光客がホームステイを経験することもできます。そのため数ある民家の中でも広い家が用意されており、ツアーなどで予約をすればホームステイを通して黒モン族の生活体験ができます。巻き割りや火起こしなど古来の人間らしい生活を経験できる他、地元の料理に触れることができるのもタヴァン村の大きな魅力です。

カットカット村

カットカット村は、サパ市内から南西に約3Kmほどの場所にある村です。車で約15分で到着するため、村の中でも立ち寄りやすいエリアです。

カットカット村には黒モン族と呼ばれる少数民族のコミュニティが暮らしており、彼らの独特の文化や生活様式を間近に体験することができます。手作りの衣服や工芸品が売られている市場は、ユニークなお土産を購入するのに絶好の場所です。数ある村の中でも観光化が進んでおり、ほとんどの家が小さな土産物店を兼ねています。山奥に行くほどの体力がない方は、カットカット村で観光を楽しむのもおすすめです。

シンチャイ村　

シンチャイ村は、カットカット村から車で10分程度の場所にある村です。こちらにも黒モン族が住んでおり、豊かな自然環境の中で暮らす黒モン族の文化に触れることができます。

シンチャイ村はカットカット村に比べると観光客は少ないため、サパ中心部からほど近い穴場的な村です。またハイキングやトレッキングを楽しむ旅行者にとっても、シンチャイ村は絶好のスポットです。1時間もあれば村全体をまわることができるため、散策にもピッタリです。村を流れる小川のせせらぎや、棚田の美しい風景を楽しみましょう。

バンホー村

バンホー村は、サパから南東へ車で約1時間の場所にある村です。タイー族の人々が暮らす静かな村であり、山々に囲まれたこの地域はサパの他の観光地とは異なる魅力があります。

バンホー村に暮らすタイー族の人々は、他の民族とは異なり民族衣装を身にまとうことは基本ありません。しかし村では訪れる人々に対して、伝統的な衣装や文化を体験する機会も提供されています。ホームステイを歓迎する家も多く、休憩所も兼ねた家が点在しています。村には美しい滝や清流があり、トレッキングや水浴びなどアウトドアも楽しめます。

ナムトウン村

ナムトウン村は、バンホー村から南に徒歩約1時間の場所にある山深いエリアです。ここには主に赤ザオ族が暮らしており、十数棟程度しかなこじんまりとした村です。

ナムトウン村に住む民族は昔ながらの生活をしており、村までの道のりは険しいです。トレッキングに慣れていない人しかたどり着けない村ですが、サパの隠れた魅力を数多く持っています。

近隣のバンホー村はかなり観光化が進んでいますが、ナムトウン村は豊かな田園風景が広がる手つかずの村です。昔ながらの少数民族の暮らしを知りたい方にはぜひ訪れてほしい村です。

ハムロンの丘

ハムロンの丘は、サパの街東側にある丘陵です。ここでは、広大な緑の棚田と周囲を取り巻く険しい山々のコントラストが見事に組み合わさり、息をのむほどの美しい景観が楽しめます。

石灰岩が突き出るエリアですが、丘周辺は整備されており歩きやすいです。園内には少数民族の暮らしを紹介する博物館もあるので、ぜひ立ち寄ってみると良いでしょう。天気が良い日にはファンシーパン村まで見渡せます。美しい景観と文化体験の両方を求める旅行者にとって、ハムロンの丘は外せないスポットです。

バックハ―

バックハーは、サパから車で約3時間の距離にある、ベトナム北部ラオカイ省に位置する小さな市場町です。ここでは毎週日曜日に大規模な市場が開かれ、多くの観光客と地元の人々で賑わいます。特に、周辺の少数民族が自ら作った伝統的な衣服や手工芸品、地元の食材を売りに集まる様子は、カラフルで生活感あふれる光景として知られています。

また、異なる民族の人々が交流する社会的場ともなっており、観光客はここでのみ味わえる文化体験をすることができます。バックハー市場の活気ある雰囲気は、訪れる人々に深い印象を残すでしょう。週末にサパへ来る予定があるなら、ぜひバックハーまで足をのばしましょう。

サパの観光・体験スポット5選を紹介

サパでは美しい自然景観だけでなく、様々な体験活動も楽しむことができます。ここからは、サパで経験できるおすすめ観光や体験スポットを5選紹介します。

サンワールド ファンシーパン レジェンド

サパのエンターテイメントとして外せないのが「サンワールド ファンシーパン レジェンド」です。こちらはファンシーパン山の麓に位置する複合リゾート施設で、ケーブルカーで山頂に近づくことができます。

ベトナム最高峰のファンシーパン山に登頂するのは大変ですが、この施設のケーブルカー→大型ロープウェイ→ケーブルカーを乗り継けば、頂上まで気軽に登れます。山頂からは息をのむようなパノラマ展望が楽しめ、特に晴れた日にはサパ周辺の景色を一望することが可能です。子供から大人まで楽しめるアクティビティが充実しているため、家族連れにもおすすめのスポットです。

ロープウェイ

サパを訪れる際には、絶景を楽しむためのロープウェイの体験も欠かせません。「サンワールド ファンシーパン レジェンド」にあるファンシーパン山頂まで結ぶこちらのロープウェイに乗れば、観光客は息をのむようなパノラマビューが楽しめます。

ロープウェイは1回乗るだけでなく、ケーブルカーから大型ロープウェイ、再びケーブルカーに乗って山頂に到着します。その途中で見られる棚田の眺望は格別で、サパの美景を一望するには最適の手段です。ただし、天値が悪い時は視界不良になるリスクもあるため、事前に天気予報をチェックしておきましょう。ロープウェイ周辺はしっかり整備されているので、子供や高齢者の方も楽しめます。

サパ博物館

サパ博物館は、ハムロン丘にある博物館です。サパ博物館では、サパ及びその周辺地域に住む様々な少数民族の歴史、文化、生活様式について学ぶことができます。博物館は二階建てになっており、二階には少数民族の服や写真を展示している博物館、一階が民芸品等の販売所になっています。

博物館の入館料は無料なので、時間のあるときに気軽に訪れると良いでしょう。1階の土産物店では日本ではなかなか見かけない珍しい物産なども販売されているため、ここでしか購入できない面白い物とも出会えます。

サパ市場

サパ市場は、サパ北東部にあるサパ湖周辺にある近代的な市場です。訪れる旅行者にとってユニークな文化体験の場として欠かせないスポットであり、市場では少数民族の衣装が制作されています。サパ市場では、手工芸品や伝統衣装、地元で生産された農産物など、多種多様な商品が取り扱われています。特に、サパの少数民族が作る色とりどりの衣服や、織物製品は人気を集めており、旅の記念品としても最適です。市場は活気に満ちており、地元の人々と交流する絶好の機会も提供してくれます。

バックハー市場

バックハー市場は、サパから車で約3時間の距離にある、ベトナム北部ラオカイ省のバックハ―で開催される市場です。サパの色と活気にあふれる場所であり、多様な少数民族文化を一望できる稀少な場所です。

特に日曜日に開催される市場では、ハモン族やザオ族、タイー族など様々な少数民族の伝統的な衣服が販売され、見ているだけでも楽しめます。また手工芸品や食品、家畜なども売買され、独特な文化交流の経験もできるでしょう。マーケットは主に午前中開催されるため、土曜日にバックハ―に滞在し、翌朝早朝から市場を訪れるのがおすすめです。

サパ観光人気ツアー3選を紹介

サパ観光では、様々なツアーが用意されています。棚田鑑賞をメインとした日帰りツアーや、現地の文化をしっかり学べる宿泊コースもあるので、ぜひ自分に合ったツアーを探してください。

1泊2日ツアー

1泊2日ツアーは、サパの圧巻の自然と文化を深く体験するのに最適なツアーです。このツアーでは、サパ到着後、多くの場合はガイド付きトレッキングが含まれ、少数民族の村を巡りながら、地域の文化や日常生活を見学できます。

宿泊はホテルでの快適な部屋以外にも、現地の生活に密着した民家でのホームステイも可能です。翌日には、美しい棚田を背景にした記応撮影やサパ市場でのショッピングなどを楽しみます。旅行会社によってツアー内容は異なりますが、サパの1泊2日ツアーを経験した多くの人は非常に満足し、忘れられない体験となっています。

日帰りトレッキングツアー

サパでの日帰りトレッキングツアーは、気軽にサパ観光を楽しみたい人に向ている内容です。サパ周辺には、数多くのトレッキングコースが存在し、その中でも少数民族の村への訪問や、棚田を巡るルートが人気です。参加者は、サパの息をのむような自然景覽を歩きながら体験でき、モン族やザオ族といった少数民族の人々の生活に触れるチャンスもあります。

多くのツアーが、プロのガイドによる案内、地元の料理でのランチ、必要に応じたサポートがあります。日本語に対応しているツアーもあるのでぜひ検討してみましょう。日帰りトレッキングは少々体力が必要なケースもありますが、サパの魅力を手軽に経験できます。

少数民族ホームステイツアー

少数民族ホームステイツアーは、サパ観光で非常に人気のあるツアーです。このツアーの内容はモン族やザオ族などの村落に宿泊し、彼らの日常生活に参加することができます。農作業の手伝い、伝統的な料理の作り方を学び、文化的な交流を深めることができるでしょう。

少数民族ホームステイツアーは、予め旅行会社のツアーを申し込む以外にも、直接村のホームステイ施設で予約をすることも可能です。原始的な体験をより深めたい方は現地に行って身振り手振りでツアーの予約をすることも可能。自分だけの特別な体験ができます。

サパ観光　まとめ

サパには、息をのむような美しい棚田や、ここでしか出会えない少数民族との出会いがあります。訪れた旅行者は、この地域特有の美しい風景を間近に感じつつ、豊かな自然との一体感を体験できます。

またサパ観光はエコツーリズムとしての側面もあり、持続可能な観光への貢献もできます。ベトナムを訪れた際にはぜひサパ旅行の計画も立て、ここにしかない景色や人々との出会いを楽しんでください。