ベトナムには、ベトナム戦争をはじめとした過去の歴史を学べる施設がたくさんあります。そのような中でもベトナム戦争の歴史を肌で感じられるのが「クチトンネル」です。
クチトンネルはホーチミン市の中心部から北西へ約70㎞にあります。個人で行くには少々難しい場所なので、まずは行き方を把握しておきましょう。ここではホーチミン市からクチトンネルへのアクセス方法や、見どころ、注意点などを紹介します。
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Contents
クチトンネルとは?ベトナム戦争の歴史を辿る

クチトンネルは、ベトナム戦争中に南ベトナム解放民族戦線(通称:ベトコン)がアメリカ軍とのゲリラ戦のために掘った地下トンネルの一部です。当時のアメリカ軍は空爆と大量の枯葉剤を散布してベトコンを追い詰めたものの、解放勢力は地下にトンネルを掘って戦いを続けました。
全長250km以上にも及ぶクチトンネルは、隠れ家、兵舎、武器庫、医療施設などとして使用されており、戦時中の過酷な生活を今に伝えています。広大なトンネルであるにも関わらず、当時は手掘りでトンネルを掘っていたというから驚きです。またジャングルにはアメリカ軍に対抗するためのさまざまな罠もしかけられていました。
現在は観光用に一部が公開され、実際にトンネルに入ることも可能です。トンネルの入口はやっと人が通り抜けられる程の大きさであり、実際に入ってみるとその複雑な構造やさまざまなトラップに驚かされます。
クチトンネルの基本情報
場所 | ベトナム、ホーチミン市の北西約70kmに位置するクチエリア |
アクセス方法 | ホーチミン市からツアーを利用し、観光バスに乗るのが一般的。約1時間30分 |
見どころ | 実際にトンネルの中を歩いて、当時の生活や戦闘の様子を体験できる。アメリカ軍を苦しめた様々な罠の展示もあり、日本では体験できない実践射撃も可能 |
入場料 | クチトンネルへの入場料は90,000ドン(約450円) ツアーの場合は別途約480,000ドン〜(約3,000円)が必要 |
日本からホーチミンへのアクセス
クチトンネルへの行き方は、ホーチミン市を拠点にします。
日本からホーチミン市へは直行便が出ています。
出発地 | 所要時間 | 飛行機 |
成田、羽田空港 | 約6時間20分 | ベトナム航空、ベトジェットエア、JAL、ANA、大韓航空、チャイナエアラインなど |
関西国際空港 | 約6時間 | シンガポール航空、ベトジェットエア、ANAなど |
福岡空港 | 約3時間30分 | ベトナム航空 |
中部国際空港 | 約5時間30分 | ベトナム航空 |
日本からホーチミンへのアクセスは良く、特に成田からは飛行機の便も多いです。直行便以外にも、アジアの主要都市(ソウル、台北、香港、シンガポールなど)を経由する便が多数あります。
ホーチミン市には歴史的な建造物や活気ある市場、美味しいベトナム料理など、見どころがたくさんあります。クチトンネルへ行く方は、ホーチミン観光を組み合わせるケースが多いです。
ホーチミンからクチトンネルへのアクセス方法

ホーチミン市からクチトンネルへのアクセス方法は多数あります。
最も一般的な行き方は、旅行会社を利用したツアーです。クチトンネルのツアーは3,000円~程で利用でき、ホーチミン市からクチトンネルまでノンストップで行けます。ここからは、ツアーや路線バス、タクシーを利用した場合のそれぞれの行き方を紹介します。
クチトンネルへの行き方その1:ツアーを利用する
クチトンネルへのツアー利用は、最も一般的な方法で、移動もスムーズです。ツアーによっては射撃体験ができるものもあるので、自分に合った内容のツアーを選ぶと良いでしょう。ベトナム旅行初心者や、路線バスの乗り方に慣れていない方はツアーの利用が最もおすすめです。
移動手段、クチトンネルまでの時間 | 送迎バス、1時間30分 |
料金 | 3,000円~ |
メリット | 快適な車内で1時間30分ほどで現地に到着できる 送迎付きなので、道に迷う心配がない 車内からガイドがついているため、クチトンネルの歴史や背景をより深く理解できる |
デメリット | 個人で行くよりも料金は少々高くなる |
クチトンネルへの行き方その2:路線バスに乗る
クチトンネルへは路線バスでも行けますが、直通バスはありません。
まずはホーチミン市内から「クチバスターミナル」まで乗車し、その後乗り換えてクチトンネル付近のバス停へ向かいます。
バスの本数も少なく、乗り換え時間を含めると、到着までは4時間近くかかります。よほどローカルな旅を楽しみたい人以外は、おすすめできません。
移動手段、クチトンネルまでの時間 | 路線バス乗り継ぎ、3時間45分 |
料金 | 乗車券は800円程度、別途クチトンネル入場料が必要 |
メリット | コストを抑えられる |
デメリット | 乗り換えが必要で、時間がかかるバスの乗り心地は良くない 入場料などを踏まえると、トータルコストはツアー料金とさほど変わらない |
クチトンネルへの行き方その3:タクシーに乗る
ホーチミン市からクチトンネルへはタクシーを利用することも可能です。
しかし距離があるため、基本的に流しのタクシーでは断られてしまいます。そのため事前にホテルでクチトンネルへ向かうためのタクシーを手配するか、運転手付きレンタカーを借りる必要があるでしょう。個人的な旅行を楽しめますが、金額が高額になり、事前の予約ができないケースもあります。
移動手段、クチトンネルまでの時間 | タクシー、1時間30分~ |
料金 | 往復9,000円~ |
メリット | 自分のペースで移動できる |
デメリット | 料金が高額になる ドライバーとの交渉が必要になる場合も 運転手付きレンタカーを借りる必要がある |
クチトンネルへの行き方その4:メコン川クルーズと組み合わせる
クチトンネルツアーは、メコン川クルーズと組み合わせて楽しむ人も多いです。クチトンネルとメコン川の両方を効率よく観光できるうえ、観光バスでの移動も快適です。
移動手段、クチトンネルまでの時間 | 送迎バス、クチトンネルまで1時間30分、クチからメコンデルタ(ミトー)まではバスで1時間30分ほど |
料金 | 10,000円~(ツアー内容により異なる) |
メリット | クチトンネルとメコン川の両方を効率よく観光できる ベトナムの自然や文化を一度に体験できる 快適な車内の移動が可能 |
デメリット | 通常のクチトンネルツアーより行動時間に制限がある |
クチトンネル観光の注意点

クチトンネルは老若男女問わず観光できる名所です。しかしトンネル内は狭く、服装によってはケガをするリスクもあるので、観光する前に次に紹介する注意点を押さえておきましょう。
服装や持ち物は?
クチトンネル内は非常に狭く、足場が悪い場所も多いため、動きやすく汚れても良い服装と靴がおすすめです。女性の場合、スカートは避けて長ズボンを履くようにしましょう。
おすすめの服装
- 長ズボン:トンネル内は狭く、虫や植物による擦り傷を防ぎます。
- 通気性の良い服:ベトナムは高温多湿のため、汗をかいても快適な素材が良いです。
- 帽子:トンネルのあるジャングルは日差しが強いため、帽子やサングラスで紫外線対策を。
靴の注意点
- スニーカーやトレッキングシューズがベスト
- 歩きやすく、滑りにくい靴を選ぶこと
- サンダルやヒールは避けましょう
トンネル内の注意

クチトンネル内は、当時のままの狭い通路や罠が再現されており、ガイドに従って進むことが重要です。
- 通路が狭いため無理をしないこと
- トンネル内は非常に狭く、かがんで進む必要があります。
- 閉所恐怖症の方は、無理をしないようにしましょう。
- 体型によっては入れない箇所もあるので、無理やり体を入れないようにしましょう
- 体力に注意
- しゃがんで進むため、疲れる人が多いです
- トンネル内は暑く、湿度も高いので体調が悪くなったら、すぐにガイドに知らせましょう。
- その他:
- トンネル内は暗く、足元が見えにくい場所があります。
- 写真にあるように、罠が仕掛けられている箇所もあるので足元に要注意です。
- 壁や天井に頭や体をぶつけないように注意しましょう。
- ガイドの指示に従い、立ち入り禁止区域には入らないようにしましょう。
射撃体験について
クチトンネルでは、実際に銃を撃つ射撃体験ができます。日本ではできない体験なので人気ですが、参加の際は以下の点に気を付けましょう。
- 射撃場では係員の指示に従い、安全に配慮しましょう。
- 射撃体験には、年齢制限がある場合があります。
- 射撃音は非常に大きいため、しっかりイヤーマフを装着すること。
- 反動があるので、銃を構える際は倒れないよう注意しましょう。
クチトンネルと合わせて観光したい・おすすめエリア
クチトンネルに行くのなら、周辺の観光名所も楽しみましょう。
クチトンネルはホーチミン市からアクセスできる場所です。周辺には市内観光のほかにも、ベトナムならではの観光名所があります。ここでは、クチトンネル観光ついでにぜひ立ち寄ってほしい人気スポットを紹介します。
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メコン川ツアー

メコン川のツアーは、クチトンネルと組み合わせたダブルツアーとしても人気です。メコンデルタ地帯を巡るツアーは、ベトナムの豊かな自然と文化を体験できる人気の観光スポットです。
クチトンネルと合わせて訪れることで、ベトナムの歴史と自然の両方を満喫できます。
ツアーでは、手漕ぎボートに乗って水路を進み、水上マーケットや果樹園を訪れます。メコン川クルーズでは、熱帯の果物やココナッツキャンディなどの名産品を味わったり、伝統音楽の演奏を楽しんだりできます。メコン川流域に住む人々の生活を垣間見ることができるのも魅力です。ツアーには、日帰りツアーと宿泊ツアーがあり、自分のスケジュールに合わせて選ぶことができます。
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タイニン
タイニンは、カオダイ教の総本山であるタイニン聖堂があることで知られる街です。クチから約30㎞北西に離れた場所にあります。
カオダイ教は、仏教、キリスト教、儒教、道教などの要素を融合させた独特の宗教です。カラフルで壮麗なタイニン聖堂は一見の価値があります。クチトンネルからタイニンへは、車で約2時間の距離です。
タイニン聖堂では、毎日正午に行われるミサを見学できます。信者たちが白い民族衣装を着て祈りを捧げる様子は、神秘的で印象的です。周辺には、バーデン山などの自然豊かな観光スポットもあります。
ブンタウ

ブンタウは、ホーチミン市の南東に位置する海辺のリゾート地です。美しいビーチやシーフード料理が楽しめます。
クチトンネルからブンタウへは、車で約3時間の距離です。ブンタウには、キリスト像が立つ小さな山や、鯨の骨が展示された寺院など、ユニークな観光スポットがあります。また、ブンタウはシーフード料理が有名で、新鮮なエビやカニ、貝などを味わうことができます。ビーチ沿いには、多くのレストランやバーがあり、夜は賑やかな雰囲気に包まれます。
ドンコイ通り

ドンコイ通りは、ホーチミン市の中心部に位置し、フランス統治時代の面影を残す美しい通りです。かつては「カティナ通り」と呼ばれ、植民地時代の繁栄を象徴する場所でした。現在では、高級ホテル、レストラン、カフェ、ブティックなどが立ち並び、ホーチミン市で最もお洒落なエリアとして知られています。
通り沿いには、コロニアル建築の美しい建物が数多く残っており、散策するだけでも楽しめます。夜になるとライトアップされ、昼間とは違ったロマンチックな雰囲気に包まれます。ドンコイ通りは、ショッピングやグルメを楽しむだけでなく、ホーチミン市の歴史や文化を感じることができる場所でもあります。
お土産探しにも最適な場所で、ベトナムの伝統工芸品やシルク製品、雑貨などを扱う店が数多くあります。また、ベトナム料理だけでなく、フランス料理やイタリア料理など、様々な国の料理を楽しめるレストランも充実しています。
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統一会堂

統一会堂はかつての南ベトナムの大統領官邸であり、ベトナム戦争終結の象徴となった歴史的な建物です。1975年4月30日、北ベトナム軍の戦車がこの建物の門を突破し、南ベトナム政府が無条件降伏したことで、ベトナム戦争が終結しました。
現在、統一会堂は博物館として公開されており、当時の調度品や資料が展示されています。内部には、大統領の執務室や会議室、地下には通信指令室や作戦室などが残されており、当時の様子を垣間見ることができます。
統一会堂は、ベトナム戦争の歴史を学び、平和について考える場所として、多くの観光客が訪れます。建物自体も美しく、庭園も整備されているため、観光スポットとしても人気があります。
戦争証跡博物館
戦争証跡博物館は、ベトナム戦争の詳細を伝える博物館です。館内には、戦争で使用された兵器や写真、資料などが展示されており、戦争の悲惨さを物語っています。特に、枯葉剤の影響で生まれた結合双生児の写真や、戦争の犠牲となった子供たちの写真などは、見る人の心を深く揺さぶります。
博物館は、戦争の歴史を学び、平和について考える場所として、多くの観光客が訪れます。展示されている写真や資料は、戦争の悲惨さを伝えるだけでなく、平和の尊さを教えてくれます。
戦争証跡博物館は、ベトナム戦争について深く知ることができる貴重な場所です。クチトンネルでベトナム戦争時のリアルを体験した際は、ぜひこの戦争証跡博物館にも足を運んでみてください。
クチトンネル観光のベストシーズン

クチトンネルは一年を通して観光可能ですが、ベストシーズンは乾季にあたる12月から4月です。
この時期は降水量が少なく、比較的涼しい気候のため、快適に観光を楽しめます。
その一方、5月から11月は雨季にあたり、特に9月と10月は降水量が多いです。トンネル内は雨でも関係ありませんが、ジャングル探検ではスコールに見舞われる可能性もあります。雨季に訪れる場合は、雨具や防水対策をしっかりと準備しましょう。
また、クチトンネルはジャングルの中に位置するため、年間を通して高温多湿です。特に昼間は気温が上がりやすいので、暑さ対策も忘れずに行いましょう。
クチトンネル観光の持ち物リスト
クチトンネル観光を快適に過ごすためには、以下の持ち物がおすすめです。
- 動きやすく汚れても良い服装
トンネル内は狭く、かがんで歩く必要があるため、動きやすい服装が最適です。また、泥や土で汚れる可能性があるので、汚れても良い服装を選びましょう。
- 歩きやすい靴
足場が悪い場所や階段もあるため、スニーカーやトレッキングシューズなど、歩きやすい靴がおすすめです。
- 日焼け止め、帽子、サングラス
屋外での観光になるため、日焼け対策は必須です。
- 虫除けスプレー
ジャングルの中は蚊をはじめとした虫が多いので、虫除けスプレーを持参しましょう。
- 飲料水
こまめな水分補給ができるように、飲料水を持参しましょう。
- タオル、着替え
汗をかくので、タオルや着替えがあると便利です。
- 懐中電灯
トンネル内は暗い場所もあるため、懐中電灯があると便利です。
そのほかの持ち物に関しては、以下の記事も伏せてご確認ください。
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クチトンネルへの行き方完全ガイド まとめ

クチトンネルへの行き方は、ホーチミン市からアクセスします。ホーチミン市からにツアー、路線バス、タクシーの3つの方法があります。
- ツアー:最も一般的で便利な方法です。日本語ガイド付きツアーもあり、安心して観光を楽しめます。
- 路線バス:最も安価な方法ですが、乗り換えが必要で時間がかかります。
- タクシー:快適な方法ですが料金が高額になり、タクシーによっては断られることも多いです。
またクチトンネルとメコン川クルーズを組み合わせたツアーも人気であり、効率よく観光したい方におすすめです。
クチトンネルはホーチミン市から少し離れた場所に位置するため、時間に余裕を持った計画を立てましょう。